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2007年3月の記事

2007.03.27

「柳家三三 桂吉弥 ふたり会」@東京。

先に大阪の天満天神繁昌亭で行われた「柳家三三 桂吉弥 ふたり会」の、東京バージョン(内幸町ホール/3月19日)を見てきました。

この日の番組は(ここのみ敬称略)
(前座)桂二乗「子ほめ」
桂吉弥「親子酒」
柳家三三「錦の袈裟」
(中入り)
柳家三三「夏どろ」
桂吉弥「崇徳院」

私の中では、この日は「吉弥さんの会」という気持ちだったのですが、よーく考えたら(考えなくても)、ここは三三師の本拠地・東京。吉弥さんにとってはアウェーですね。私の両隣のかたたちが、みなさん三三師のファンのかたらしかったので、やっと気がついたという。客席は、20~30代とおぼしき女性が多数。

前座として登場した桂二乗くんは京都の噺家・桂米二師匠のお弟子さん。着物は茶色系? 噺(「子ほめ」)の中で、赤ちゃんに向かって「『おっちゃん、おいでやす』くらい言い」なんて京都風な言葉が一度出てきたのは、そのせいかも。ぱっと見、ダウンタウンの浜ちゃんをさらにかわいくした感じ。声も似てました。

続いて吉弥さん、最初のお着物は濃い茶色の羽織黒っぽい柄もの?着流し
まくらでは自分も三三師も人間国宝の孫弟子(吉弥さんの大師匠が米朝師匠、三三師の大師匠が五代目小さん師匠)ということもあり、入門も1年ちょっとの違いということで、共通点が多いとおっしゃってました。また「ワイドショー『スッキリ!!』でも紹介されてチケット完売って出てたのに、こんなに空席が…」とちょっとがっかりなさってましたね。
前回の、大阪での回の時に打ち上げでひっぱり回して翌日、6時発の新幹線に乗る予定の三三師を夜中の3時までつき合わせたから怒っているかと心配したが(おかまのママがいる店の名前まで言わいでも…。笑)、大丈夫だったみたいなので、またこんな会ができるかも、とのこと。
「今日は5時半東京駅着の新幹線で来た。事務所はいつもギリギリの時間のチケットを手配する。何かあったらどないすんねん(笑)。それでもコーヒーが飲みたくてタリーズコーヒーに寄ろうとして、でも三三兄さんが先に会場に来てたらまずいなあ、と迷っていたら、その店で兄さんもコーヒー飲んでた」。
さらに、今ではお約束?の「(自分の大師匠である米朝師匠について)人間国宝というのは俗な言い方。正式には、重要無形…天然記念物。サンショウウオみたいなもんですわ。そのサンショウウオのところに、当番制で弟子・孫弟子たちが行くんです。
自分が行くと、お酒を飲むことになり…」。
「お前、『算段の平兵衛』はやるか?」
「やったことないんですわ」
『算段~』は師匠が再編集しはった噺。
「地獄八景‥浮世百景」にも出てきた。
「あれはなあ…」といろいろ演出のポイント

なんか教えてくれはって。
「…お前、肥えたんと違うか?」
「はぁ、そういえば少し太ったかもしれません」
「気ぃつけなあかんで」

「お前、『三枚起請』はどうや?」
「それもやったことありませんねん」
「…お前、肥えたんと違うか?」
「はぁ、そういえば…」
「気ぃつけなあかんで」
「師匠、ボケたんと違いますか?」と、のどまで出かかった。

なんて、聴いたことのあるくすぐりも織り交ぜつつ。
最初はネタ出ししていた「親子酒」。2004年に一度聴いたきりだったので、うどん屋とのやりとりがあったかどうかは忘れてます(でも、とんがらしのところはなんか聴いたことあるなぁ)。見台などを使ってました。サゲは江戸落語と同じ。
うどん屋にカラむ男(酔っ払い親子の息子のほう。「村祭り」を歌うけど歌詞を間違うというボケも)が大げさにボケるのに対して冷静に返すうどん屋。そのことがおもしろくない、と、もっとおもしろい受け答えを言って「それでわーっと(ウケる)」というパターンを3回ほど繰り返すと、客席でもその「わーっ」につられて声を出してしまうひとが何人か。ぷぷ。いやあ、もってくなぁ。帰る家を間違えるところで西と東を言い間違えてましたが、影響はまったくなく。

続いて三三師。めくり(上方では「名ビラ」)の下のほうが手前に丸まってしまって、「三二」とか「三一」とかに見えるほどでした。「こっちも小さん師匠のことを話さないとならないなぁ」と言いつつ、小さん師匠が年に2回していた、吉原の料亭での落語会の顔付け(香盤を作る=出演者を決める)を師匠自らして、書き出した師匠方に前座時代の三三師が電話をして出演交渉をしていたときのエピをまくらに。
師匠が顔付けしているのを待っていたら、ある時、師匠の娘さん…つまり花緑兄さんのお母さんが桃を出してくれた。「桃は皮ごと食べるのが体にいい」と聞いたとかでその方法を勧められたので、皮つきのまま食べた。師匠の様子を伺いながら食べていて、そろそろ顔付けが終わりそう、という雰囲気だったので、あせって大きく切った皮つきの桃を口に入れたら、上あごのカーブにぴたっとハマってしまって、しかも皮のほうが上あごにくっついてはがれなくて大変なことになっていたら、師匠に「桃は落ち着いて食べろ」と言われた、というオチ。

お着物は濃い青の羽織淡い青(ねずみ色かも?)の着流し。こちらもネタ出しされていた「錦の袈裟」。そんなに色っぽい話ではないものの、吉原だの女郎買いだのふんどしだのと、こんなに女性が多い客席でこの噺をするのはちょっと大変だったかも?それでもやっぱり実力者。しっかり笑わせてくれました。噺の中で、若い男たちが歌うところがあるんですが、さっきの吉弥さんの「村祭り」を受けて、こちらでも「♪どんどんひゃららどんひゃらら」と歌って大ウケ!

中入りを挟んで、再び三三師。お着物は黒紋付の羽織濃い緑の着流し
オフレコの深夜寄席最長不倒記録更新(by 喬之助さん)の数字を言っちゃってました。おいおい! また、ほんとかうそか、カーテンを閉め切って使えないはずの2階から、その時間だといるはずのないお茶子さんが覗いていたとかいないとか。
こちらは「夏どろ」でした。初めて聴く噺なんですが、このとき読んでいた「落語大阪弁講座」(小佐田定雄著)に、この噺の上方版「打飼盗人(うちがいぬすっと)」のことが載っていて、その部分をちょうどその日の朝読んでいた、という。鼠小僧や石川五右衛門の紹介をまくらにしたんですが五右衛門の辞世「石川や浜の真砂は尽きるとも」の、下の句を、啄木の「われ泣きぬれて蟹とたわむる」に変えて紹介。ちょっとした笑いを誘ってました。
…季節としてはちょっと合ってませんがね。最初に、「かいぶしをたいていて」という言葉が出てきて、耳で聞いただけだと「貝ぶし? 焼き貝?」とか思ってしまいました。ちょっと聴いたら「川っぺりで蚊がひどいので畳を上げて下の板を燃やしていた」という所が出てきたので、やっと「蚊燻(か・いぶ)しを焚く」だとわかりました。あははー。

トリは吉弥さん。お着物はやや淡いあずき色の羽織と揃いの着流し。まくらは…あれ? 五右衛門の辞世をちゃんと言ったのはここだよね? あれ。いつだっけ。ということで、まくらがすっ飛んでしまってます。すみません。
噺のほうは、しゃべり始めてすぐに「崇徳院」だとわかりました。この日、会場に向かいながら「お楽しみ」では何が聴けるんだろうと考えていて、あれは聴いたことがあるし、これは季節的に合わないし…といろいろ思い出していて「あれ。『崇徳院』って吉弥さんでは聴いてないなぁ。あれ、けっこうすきなんだよなー。でもやらないか」と思っていたので、ちょっとびっくり(笑)。「地獄八景‥浮世百景」でも重要なストーリーの一部になっていたので、舞台のことを時々思い出しつつ。最初に「瀬をはやみ…」に反応してくれた床屋の客(将棋を指しているひと)にくいつくところが、特におもしろかったですね。

お隣り席の、三三師のファンの女性も「いやー、おもしろかったぁ。このひともすきかも」とかおっしゃってました。最後の噺の演目がわからないとのことでしたので、教えて差し上げました。最近、終演後に「本日の演目」を貼り出してくださっていたので、そう言いつつお教えしたんですが、この日は貼り出してなかったです。あー、ウソつきになっちゃいました。えーん。

というわけで、待ちに待ちつつ、終わってもほしくなかった落語会が終わってしまいました。くすん。

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2007.03.24

「サボテンの花」ブログライター招待・取材(一部役柄バレあり。やや辛口)。

キャラメルボックスの公演「サボテンの花」ダイジェストムービー/要Flash。←音も出ます)の“ブログライター招待”の企画に参加してまいりました。

一部役柄バレがあります。そしてやや辛口です。ご注意を。

この「サボテンの花」は宮部みゆき氏の同名短編を原作にした舞台です。キャラメルの成井豊さんは、かつてこの短編をもとに「ありがとうサボテン先生」という作品の脚本を書いてらっしゃいますの、でそちらの舞台がベースになっているともいえます。

今回は音楽劇ということで、劇中曲を役者陣が歌い、途中には楽器演奏も挟み込まれています。ミュージカルではないので、音楽でお芝居が進行するという感じではなく、いつものキャラメルの劇中曲の歌の部分が生で歌われる、という感じですね。歌に関しては、ゴスペル歌手でもあるコング桑田さんの客演によって、かなりパワフルです。他の役者さんも、まあよかったと思います。声もよく響いてましたし。
ただ、いくつかの曲が、キャラメルの過去使用曲に似たイントロのものだったりしたのはちょっとがっかりしました。

また、楽器演奏は……………。

一部でリズムが合ってなかったのか大変に居心地・聴き心地が悪かったです。演奏シーンも唐突といえば唐突で(後になって、そこに挿入された意味はわかるのですが)なくてもよかったんじゃないかと。

ストーリーも、「そんなに反対するかぁ?」とか「宮崎先生がなんでそんなことするのかわからん」とか納得できないことがいくつかあって(「ありがとう~」の時はそんなには違和感を持たなかったはずなのに…)。原作未読なので、原作通りなのか舞台化のためのアレンジなのか判断できませんが、前半は疑問が頭の中で渦巻いていました。

それでも後半に入って、信一くんのエピソードあたりではしっかり泣いたりしたわけですけど。

公演期間の終盤にまた観るので、その時には今回感じた違和感がなくなっているといいな、と思います。

終演後は、隣の映画館(新宿コマ東宝)に移動して、「ブログライターによる取材」。今回は50人強のかたが参加していたそうです。

少ししてまず製作総指揮・加藤昌史さんが入場。今回は成井さんも真柴あずきさんも次回公演「まつさをな」のお稽古中で参加できないとのことで、役者さんが何人か来てくださいました。
上手側から、篠田剛さん、西川浩幸さん、多田直人くんと並び、その横に加藤さん。
まだ全員揃わないということで、雑談的にお芝居に関するフリートークが進行。
ややあって女優の渡邊安理ちゃん、小林千恵ちゃん、さらに遅れて、コングさんが入場。質疑応答に入りました。

質問は
■「西川さんが、同僚の先生のことを
“さん”付けで呼ぶのはなぜ?」
■「サボテンからお酒って本当に作れるの?」
■「西川さんは、『ありがとう~』で
いかりやさんがやっていた役だが意識したか?」
■「このお芝居を本当の教師に観てもらいたい
と思ったが、演じていてもそんなふうに思ったか?」
■「本格的に歌のレッスンを受けたのか?」
などなど。
また、質問ではなくて結局感想を言ってしまっているかたもいらっしゃいましたね。

最後に、加藤さんによる記念撮影。役者さんたちが座席の後方に移動して、ポーズ。

なのですが、とにかく暗いのでブレてしまい、何度も撮り直し。
すると西川さんが「はいチーズ」の代わりに
「和尚さんがいるお寺は…」
「ダッチが出したビデオは…」
「(舞台の)幕に書いてある文字は…(“ペプシ”のロゴが入っているのです)」
といちいち変えて、笑かしてくださいました。

舞台の感想はやや辛口になってしまいましたが、取材時間は楽しくすごせて、また役者さんたちから貴重なお話も聞けてよかったです。


「『加藤の今日』ブログ」の記事「東京・ブログライター取材っ!!」にトラックバックさせていただきました。

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2007.03.23

チームVS ROUND 2「メロスのように」。

ACファクトリーという劇団の女優・秋元さわ子さんと菅真紀さんによるユニット、チームVSの第2回公演「メロスのように」を観ました。殺陣やアクションもできて歌も歌う女優・吉川亜州香さんが客演しているのが、観に行った最大の理由です。

ACファクトリーは未見なのですが、たぶんアクション系の劇団だと思います。なので、今回のお芝居もそういう感じだと思っていました。そうしたら、確かにアクション系なのですが、ストーリーがSF(舞台になっているのが宇宙空間というかとある星)でちょっとびっくりしました。
宇宙船で護送されている犯罪者たち5人がとある星に不時着。ここは、かつて鉱石の発掘場があったがもう100年以上も前に閉山されていた。乗ってきた宇宙船のコンピュータシステムがダウンし、全員が途方に暮れる中、この船に時限爆弾が仕掛けられていることがわかる。この星には空気がないが、過去に人類がいたのであれば、なんとか酸素を生成できるのではないかと踏んだ5人だが、外に出るための装備“コスモリング”は4人分しかない。ただひとり、盲目の少女を待機させ、残り4人が採掘基地跡に向かうが…。

ものがたりの中では、「芸術」が犯罪行為ということになっていて、絵を描く(菅さん)、歌を歌う(亜州香さん)、コンピュータゲームを作る(氏家康介さん)、エアロビクスをする(中野博文さん)、といったことを行って、それぞれに懲役刑に処せられることになった4人と、実は彼らを護送する政府側の刑務官が1人(秋元さん)。刑務官は、4人の囚人をこの星に置き去りにすることが任務で、しかも今回が初任務。そんな中、予定外に宇宙船のシステムがダウンしてしまい、刑務官もパニックに。また、絵を描く人間と刑務官が実は幼なじみだった…。

「メロスのように」というタイトルの「メロス」は、「走れメロス」(太宰治)から取られています。友情のため、「信じている」という思いに応えるために、走る人たちのものがたりです。…って、今ぐぐったら、アニメの主題歌で同名のものがあるんですね〜。(笑)

護送船、採掘場の岩肌、発電機、脱出ポッド…などなどに見立てられたのは、人がひとり中に入れる立方体の箱。これが人数分の5個。それを押したり回したりして動かし、表現。また劇中では走り、岩肌をロープで下り、螺旋階段を上り、なぜかエアロビし…動きまくり。

1人分足りないコスモリングを、最後には5人で使うための秘策が、ちょっと笑えるんですが、なるほどね〜。…でも、手首用のを着けてない彼女、本当に大丈夫だったのかしら?

芸術行為が犯罪という世界ですから、それぞれが行っていた「犯罪行為=芸術行為」がどんなものであるか、お互いにまったくわからないのです。そんな中で、発電するために動こうという時に「エアロビ」をみんなですることになるんですが、これは笑えましたね。ひとりだけ宇宙船に残っていて、そこの気温が下がってしまい、寒さをしのぐためにと、トランシーバーから聞こえてくるかけ声だけで一緒にエアロビする盲目の少女が、ひとり的はずれな動きをするのも楽しくて。

盲目の少女は「歌うことがそんなにいけないことなんですか?」と何度も問いかける。そしてクライマックス、「『歌』ってどんなものなの?」という質問に、彼女が歌い出す…。ここは、最初まったくのアカペラで歌うのですが、ガイドの音(キー)もないので、大変だと思います。実際、私が聴いた回でも、途中から入ってきた伴奏と、ちょっとキーが合っていなくて、どきどきでした。途中で戻しましたけど。

けっこう笑えるところもありつつ、最後には感動してました。おもしろかったです。

公演は終了。

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南船北馬一団「ななし」。

観劇の感想もちらちらと。

大阪の劇団・南船北馬一団によるリーディング公演「ななし」。元ランニングシアターダッシュ、劇団空晴(からっぱれ)上瀧昇一郎さんが出演しているということで観に行きました。
女性2人・男性1人の三人組がふた組、という組み合わせで、6人でリーディング。衣装は全員黒。形はいろいろですが、とにかく全身黒。ものがたりは、やや哲学的? 走る電車の車内でのできごとのようですが、たまに人間ではなくヤギが出てきたりして、不思議な印象です。個人的な事情で、あまり物語世界に入り込めなくて、その世界観に取り込まれることなく終わってしまったので、うまいこと説明できません。ごめんなさい。

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2007.03.20

「ノスケ第19回」。“LAST GIG”の真相は…。

柳家喬之助さんと柳家三之助さん、ふたりの「之助」が出演する会だから「ノスケ」。そして毎回、「第○回」というところまでが会の名前だそう。
喬之助さんが数日後に真打ち昇進を控えているため、今回の「ノスケ第19回」で一区切り、“LAST GIG”ということですが、やっと行くことができました。

会場は日暮里のホテルラングウッド4階にある日暮里サニーホール コンサートサロン。クラシック系のサロンだと思われるので、声の響きは抜群でした。

まずはふたりの「ノスケ」さんが登場、高座の左右に分かれて立ち、ご挨拶。いつもなら一席ずつ(かな?)ネタ下ろしをするんだそうですが、真打昇進を間近に控えてお忙しく、気持ちにも余裕がないという喬之助さんは、今回の出番は一席のみ。その分、大ネタでいくそうです。そのため、前日のご自身の真打ち披露パーティーで“生け捕りにした”三遊亭天どんさんをゲストに迎えての三人会に。喬之助さんを評した暴言を吐いたと紹介されましたが、実際には別の二つ目さんのしわざ(!)なんだそうですよ。また、前日の深夜寄席が大変な盛況だったという話題も出まして。最長不倒記録だった、春風亭昇太師匠・神田山陽師匠の卒業公演をかるーく超えたとか。まあ入場者数はオフレコということで。(…翌日、某所で某師匠がバラしまくっていた、なんてのはまた別の話。おかげさまで、正確な数字、覚えちゃったですよ)

番組は(ここのみ敬称略)
三遊亭天どん「はじめての確定申告」
柳家三之助「蜘蛛駕籠」
(中入り)
柳家三之助「長屋の花見」
柳家喬之助「子別れ(中・下)」

天どんさんは初見・初聴。円丈師匠のお弟子さんで新作派。ルックスで想像していたより声が低め。浅葱色のもっと渋い感じの色の着物と羽織で、なぜかまくらの時から羽織を脱いでしまい、あとで「あ、羽織脱いじゃいけなかったんだ…」と。でも着直すでもなく、そのまままくらから噺へ。まくらは汚名返上(暴言を吐いたのは別のひとだ、など)、新作と古典どちらをやるかの決など。ここで、どちらにも手を挙げないひと多数。まあ私もですが。
全体的に力の抜けた感じで、下手の出はけ口に向かって声をかけたりと、新作派のかたってこんな感じなのかなぁ、と。時節ネタということで「はじめての確定申告」。落語の小道具といえば手ぬぐいと扇子だけ、かと思ってたらとんでもないモノが登場。…しかも一瞬。これはアリなの?(笑)
噺のほうはなかなか楽しかったんですよ。…サゲ寸前で噛まなきゃもっとよかったですねぇ。残念。

続いて三之助さんのネタ下ろしはネタ出しされていた「蜘蛛駕籠」。お着物は、最初に着ていた銀鼠のような着流しに、黒紋付きの羽織
まくらではちょっと天どんさんをいじったあと、「駕籠」についての基礎知識的なものを。「くも駕籠」の語源の説を2種類など。
噺のほうは、なかなか客がつかまらない駕籠かきの二人組が声をかけるひとがそろいもそろって駕籠に乗ってくれない。酔っぱらいが何度も同じ話を繰り返したり、踊りながら二人をからかって、結局乗らなかったり、やっと乗ってくれたと思ったら、実は二人連れなのを黙ってこっそり乗り込んでいたり…。いやー、三之助さんもいい感じに気合いが入っていましたし、笑いましたよ〜。
ところで、駕籠かきコンビの弟分のほうの話し方は、冒頭のとろくさい感じで押し通さなくてよかったのかなぁ、とちょっと疑問に思ったり。あのとろさが、単にやる気がないだけで普段はそうでもない、というのならいいのですが…。初めて聴く噺なので、わからず書いてますけど。

中入り後は再び三之助さん。桜色の着流し黒紋付きの羽織。…やっぱり(笑)「長屋の花見」でした。まあ季節モノですから今やらないとねー(まくらから、ほとんど先日と同じでしたけども)。なので、まあこれについては語りませぬ。

そしてトリは、前日が真打昇進パーティーと深夜寄席、という超ハードスケジュールだった喬之助さん。「楽屋で天どんくんと話してたら、だいぶ楽になった」そうで、表情も明るくなってました(笑)。たまたま、この会場のあるホテルで、余興をやりに来ていた柳家太助さんが楽屋にいらしていたそうで、「二つ目最後の仕事が高座(落語)でよかった。太助よりまし(笑)」とのこと。
また、今回で「ノスケ」は最後というふれこみでしたが、ぽろっと「次の『ノスケ』には××(すみません。失念してしまいました。噺家さんのお名前です)をゲストに…」なんて口を滑らして、「…あれ?」状態。まあまあ、それでもそこをつっこむわけにもいかず。「やりたい噺をやります」としゃべり出したのは「子別れ」。来月には花緑さんで通しを聴くなー、と思いながらもどんどん引き込まれていきました。
喬之助さんのは、中と下の、いわゆる「子は鎹(かすがい)」部分ですね。かなり気合いが入っていて、聴き応えがありました。とにかく亀ちゃんがいい子でねえ。
改心したあとの熊さんもよかったです。
しっかりたっぷり、楽しい時間を過ごしました。

噺が終わると満場の拍手。
そんな中、私服で三之助さんが登場…なんですが、ややサイズの大きい、青島コート@「踊る」のようなのを着てまして。実は、天どんさんのものだったそうです。しかもかけていたメガネは喬之助さんのものだとか。え、なんでそんなややこしい格好を?(笑)

そして、まくらでちょっと喬之助さんが口を滑らしたことを受けて、「ノスケ」は今回で一区切りだけど、実はまだ続くという「ノスケ セカンド・シーズン」についての発表もあり(2nd season 第1回は7月1日、同会場にて)。ここでも笑わせてくれて、楽しくおひらき。

がっつり聴いて笑ったあとは、会場に来ていたお友達や、そのかたのお友達ほか数人と、飲みに。その中に、こちらが一方的に存じ上げていて、この日、初めて顔を合わせることになったかたもいらしたので、ご挨拶やお話しができてよかったです。
私としては結構飲んだんですが、寝る前のハイチオールC5錠飲み(やめとけ!)が功を奏したか、前頭葉に軽い頭痛が残った程度で二日酔いもなくすみました。うーん、珍しい。やっぱり楽しいお酒はいいですねい(笑)。

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ああ、もう、なんだか。

お芝居は多少減ったけどまだまだ見てるし、ドラマもけっこう本数だけは見たし、なんですが、どうも心が落語にいってしまっていて、感想のようなものも落語に集中。あららん。

という感じで、見た・観た・聴いた順がぐちゃぐちゃですが、とりあえず今、手元に下書きがあるものからアップします。

以下、次号!

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2007.03.12

3月の「築地本願寺寄席」。

これまで、ご縁があるようでなかなかなくて、生の高座を拝見することができていなかった噺家・柳家三之助さんが出演なさるということで、「築地本願寺寄席」に行ってきました。

番組は(ここのみ敬称略)
柳家三之助「長屋の花見」
三遊亭歌彦「転宅」
柳家小権太「試し酒」

開演時間は19時でしたけど、前座さんがいるので18時45分か50分には幕が上がるかと思っていたのになかなか上がらない。客席が残念ながらさみしかったので、お客さん待ちかと思いきや。

ほぼ定時、やっと幕が上がって出てらしたのは三之助さん。あららら、と思って見ていたら、ご自分でめくりをめくって、前座の「春風亭一左」を「柳家三之助」に変えてから高座へ。なんと、前座さんが会場に来ていないとのこと。一左さんが男性か女性かわかりませんが、「やっと連絡が取れて、聞いてみたら“産気づいた”そうで」と三之助さんがおっしゃってました。うーむ。

いやー、それにしてもびっくりした。「しくじった」ってことですよねえ。そんなこともあるんですねえ。

さて、はからずも前座(開口一番)となってしまった三之助さんは、ご自身の体験から花粉症の対策(自分は喉にくる花粉症、市販の薬は効かない、噺家は高座に座ったら症状はほとんど出ない、先日の静岡での仕事は杉林の中だったので大変だった…などなど)をまくらに「長屋の花見」。お着物が桜色で、噺に合わせてらしたようです。長屋の店子連がたくさん出てくるし、テンポのいい噺なので楽しく聴きました。大家さんに言われて、お茶けで酔ったふりをする店子など、笑いました。

続いて歌彦さん。落語の用語の語源や、お寺と落語の深い関係などについての話をまくらに「転宅」。歌彦さんも安定してますね〜。当日配布された「エンタメ築地」に「『転宅』はあまり聴けない噺」というようなことが書かれてましたが、「ぽっどきゃすてぃんぐ落語」で古今亭菊六さんの高座が配信されてますよー(笑)。ということで、流れもサゲも知ってましたが、これも楽しく聴けました。だましたつもりがだまされた、という滑稽噺。お妾さんの色っぽい感じよりも、まんまとひっかかった泥棒の情けなさのほうが印象に残りました。

トリは小権太さん。とあるパーティーでの「権太楼師匠が黒と言ったら白いものでも黒」的な逸話(笑)と、小権太さんが遠征先でめちゃくちゃたくさん食べるハメになってしまった話をまくらに、「試し酒」。サゲは知っていましたが、噺自体は初見・初聴です。小権太さんも、たぶん初見ですね。ちょっとした表情が、なんとなーく織田裕二っぽいんですけど。(あ、褒めすぎ?<失礼な!)あまり大柄じゃないせいか、愛嬌のある印象ですね。噺に出てくる大酒飲みの久造は丹波の出ということですが、なまりは東北っぽい?(「たんば」というのが聞き間違いだったかしら?) 自分の主人に対する木訥な「だぁさま」、いい感じでした。それにしても、見事な飲みっぷりでした。

アクシデントはあったし、客席はさみしかったし、通路を挟んだ向こうの子供はちょこちょことやかましかったし、前方席でほとんど舟こぎっぱなしなお客はいたしで、けっこうやりにくい環境だったと思うのですが、私自身は満足して会場を後にしました。

次回は晴れて真打ちとなった、菊朗改メ菊志ん師が出るらしいのですが…行けるかな?

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2007.03.09

国立演芸場2月上席。

先日、国立演芸場2月上席を見に行きました。もともと、三三師を聴くのはこの日だけのはずだったんですけどね〜。

番組は(ここのみ敬称略)
(前座)三遊亭歌ぶと「子ほめ」
立川談修「転失気」
ナイツ(漫才)「政治と野球ネタ」
柳亭左龍「夢の酒」
一矢「相撲漫談」
柳家三三「三味線栗毛」
(中入り)
ウクレレえいじ
橘家蔵之助「ぜんざい公社」
花島世津子(奇術)
柳家はん治「ぼやき居酒屋」

横浜にぎわい座行っていた彦いち師、ボーイズのポカスカジャンがお休みで、ちょっと残念。今回は、初見の出演者が多かったです。国立演芸場は、去年一度「花形演芸会」に行って以来でした。「花形演芸会」は前売り完売で当日券は立ち見、という状態なので、定席はどうかと思っていたのですが、前座さんが出るあたりではまだ半分くらいの入り。最終的にも8割いったかどうか? 日曜日なのにこんなもんなのかなぁ。

まずはお目当ての三三師のお話から。三三師が中トリで出てらっしゃると…。あら、昨日と同じお着物じゃないですか。紺色で、格子のつみ具合で左から右へとグラデっぽくなっている生地で仕立ててあるので、ぱっと見、柄の違う生地を継ぎ合わせたように見えまして(前日はそうだと思ってました。この日は最前列でじっくり拝見)。で、あれれ、と思っていると、めくりを示しつつ「横棒が六本で何て読むんだ、とお思いかもしれませんが、さんざです。かわいくミミちゃんと呼んでくださっても」などと言いつつ、ほとんどまくらなしで江戸時代の身分制度から噺に入ったら…。噺まで前日と同じ「三味線栗毛」で脱力。おかげでちょっと集中力に欠けてしまいました。なんだよぅー。

がっかりだよっ!

…こほん。

順番が入れ替わりましたが、以下は出演順。

歌ぶとくんは「子ほめ」で、偶然にも昨日の市丸くんと同じ噺。比べたくなくても、どうしても比べちゃいます。キャリアも少し長いんでしょうが、なかなか聴かせます。竹さんの赤ん坊を褒めに行って、最初に見たときの視線の動かしかた、そこのくすぐりを知っているとより楽しめますね。そして、やっぱり師匠が違うとところどころでちょっと違う表現が出てきて、それも興味深いです。

立川談修さんは志の吉さんの代演で、「転失気」を。協会に加盟していない立川流が寄席に出ることはなかなかない、とのこと。確かにね。それと「修」は出身校の「専修大学」から取ったという裏話?をしつつ噺に入ります。今、いろいろ調べていたら、ある時、立川流の前座全員が破門されて(談修さんも)、その後、すんなりと(?)復帰を認められたのは談修さんだけだそうですね。確かにとても聴きやすくてよかったです。

漫才コンビのナイツは、右の土屋くん(ツッコミ)がどんなに政治の話題を振っても、結局、左の塙くん(ボケ)が野球オチにしてしまうという。まあ、野球ネタは正直1/3はわかんないんですけどね。あ、ナイツは内海桂子師匠のお弟子さんだそうです。

左龍師匠は彦いち師の代演で「夢の酒」。見た目はかなりごつく、でも愛嬌のある感じなんですが、噺に出てくる若奥さん、かわいらしくてびっくりです。なぜか客席から笑いが起きてましたが、いやいや、なかなかどうして。噺は、商家の若旦那が昼寝をしていて夢を見ているところから始まり、一瞬「天狗裁き」のようですが、こちらは本当に夢を見ていて、しかもちょっと色っぽい内容だったので、若奥さんがやきもちを焼く。そして…という噺。左龍師匠はお着物もすてき。淡い紫の羽織、ほっそーい縞の紫色の着流し、長襦袢は花柄があしらってあって若奥さんが悔しがるところで活用していました。

相撲漫談一矢さん、声がとってもいいですね。外国人力士の本名をどんどん言っていくんですが、あまりに流暢でびっくりです。高見盛のモノマネもめちゃ似てました。

三三師匠はここの出番でしたが、先に語ったので。

中入りを挟んで、ウクレレえいじさん。ポカスカジャンの代演で、ワハハ本舗所属だそうです。どうりでときどき関西弁が混じりますね。なぜか眉が薄くて(剃った?)ちょっと怖い系のルックスなんですが、“こう見えて小心者”とのこと。ウクレレでハードロックやベンチャーズ、津軽三味線風、そして当然ハワイアンまでバリバリ弾いてくれます。「ウクレレえいじのテーマ」を3パターン演って、どれがいいか客席の拍手で決めたり、客席全体や最前列のお客さんに「えいじ、サイコー!」などとかけ声をかけさせたりして客席を暖めます。後半は「マニアックものまね」。年に数回、「みなおか」に登場するコーナーで、関根勤さんがバカうけしてくださったそうです。テーマ曲?の「♪マニアックでごめんね〜 微妙でごめーんね」、耳に残ってますよー。

続いて、佐々木蔵之介さんと名前が一字違い(んな覚えかたするな!)の橘家蔵之助師匠で「ぜんざい公社」。小柄で目がぎょろっとしていて、俳優の半海一晃さん風味。髪はやや長め。ウクレレえいじさんのネタを引いて「『くらのすけ、サイコー!』って言っていいんですよ」などと笑わせ、続けて袖に向かって手招き。えいじさんを呼び出しちゃいました。えいじさん、困った顔をして出てきて、おもしろかったです。引っ込んだ後、蔵之助師が「(えいじさんは)ほんっとうにいいひとなんですよ〜」と(笑)。続くまくらは「これ、ほんとの話なんですけど…」って前置きして、半蔵門駅から国立演芸場に来るまでの道のりで会ったおばさまのこと。ここも小咄風に笑わせて、噺に。噺も蔵之助師も初見・初聴。甘党なサラリーマンが広告に惹かれて、ぜんざいを食べるために「ぜんざい公社」に行く。でも、なんせ公社、お役所仕事であちこちたらい回し。やっとのことでありつくと…、という噺。たらい回しの部分、小柄でほっそい師匠がやると、真に迫ってます(笑)。

色物で、奇術花島世津子さん。明るく豪快っぽいんだけど、自信なさげにぼやきつつ進行。「あーよかった。今日はうまくいった」とか「今日のお客さんはやりにくいかもしんない」とか。あ、途中で席を立っちゃうお客さんがいて、奇術中断。出ていくまで見守って(笑)ました。ラストのトランプ数字当ては、お客さんが引き抜いた数字を、大きな紙を切って表現。ちょっとおもしろかったです。(ちょっとかよっ!)

トリは柳家はん治師匠。新作みたいですね。ネットで検索して「ぼやき居酒屋」という演目名を見つけましたが、これでいいですかね? ひとりで居酒屋に入ったおやじが、つまみや酒について、店主相手にぼやきまくり。さらにBGMがなくてヘンだと有線を要求するも、「ない」と一喝されて、「昔の歌謡曲はよかったよなー」と、ついに歌い出す。さらに最近(実はちょっと前)のヒット曲、人気アーティストや歌手をこきおろしつつ、そのあたりの曲もしっかり1フレーズ歌い…。お歌が達者でらっしゃるので、いろいろ歌えるこの噺は本領発揮といったところでしょうか。サゲもなんとなく想像できましたが、全体的にテンポがよく楽しかったです。

もう発売になってたので、4月中席のチケット、迷った末に買っちゃいました。お目当ての噺家さん、出てくださるかしら(苦笑)。

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2007.03.07

黒門亭、にかいめ。

先日、二回目の黒門亭に行ってきました。
今月19日に、桂吉弥さんとのふたり会を東京でも行う(あ、大阪は今日や!)柳家三三師が出演とのことで、これまでPodcastで音声だけは聴いていたかただったんですが実際にも拝見したいな、と思って。

番組は(ここのみ敬称略)
(前座)柳亭市丸「子ほめ」
柳亭こみち「たらちね」
むかし家今松「風の神送り」
(中入り)
翁家さん馬「薮入り」
柳家三三「三味線栗毛」

前座は、セルリアンタワー能楽堂に続き、また市丸くん。うーん(笑)。彼はちょっと粗忽者のようですね。開場前の、幟出しの段階から、某真打ちさんをぼやかせてました。
この日は、いつも以上の混雑で、会場が暑かったせいもあったんですが、汗だくだく。「子ほめ」では二ヶ所ほど、明らかにミスっちゃいましたね〜。あと、高座返しで座布団が曲がったままになっていたそうで、続くこみちさんが直す一幕も。さすがに、その後の高座返しでは、市丸くん、慎重の上にも慎重に「まっつぐ、まっつぐ」と心の中で唱えながら座布団を返していたことでしょう。そのたびに注目を集めてました。

こみちさんはまくらに、小三治師匠主催のスキーツアーでのことを話しつつ(けっこう長めでした)、「女性でよかった」と締めて「たらちね」へ。女性ならではで、千代の口調が、やっぱりよかったですね〜。でも時間がなかったのか、最後までいかずにサゲになりました。

今松師匠は、歌之助さんの襲名披露ぶり(笑)。って中一日ですけど。前回もそうでしたが、お着物の色合わせがすてきです。ただ、羽織を脱いだあとは着流しの柄が細かくて、ちょっと目がちかちかしました。「風の神送り」は初見でした。私は楽しんだんですが、なにせ会場が暑くて空気が薄くて、舟をこいでいるかた多数。汗。

さん馬師匠は初見。登場のしかたが足元おぼつかない感じで、こちらがドキドキ。お着物(襟のあたりなど)も、やや乱れ気味であららら…。どうも花粉症に(その日突然)かかったらしく、手ぬぐいのほかにハンカチ使用。しょっちゅう鼻をぬぐってらして、つらそうでした。「薮入り」そのものは十八番だとのことなので、もっとコンディションのいい時に改めて拝見したいです。そんな状態だったんですが、噺の後には南京玉すだれまでご披露してくださいました。

三三師匠、けっこう目にする写真がおちゃらけてる感じなのでどんなかただろうと思っていたんですが、ご本人はずっと落ち着いた雰囲気のかたでした。声も低めですてきです。さすが、トリをとるだけのことはありますね。ちょっと目が眠そうなんですけど(笑)。まくらに、マナーの悪いお客さんのエピソードをふたつほど。そのうちの一つは、落語協会の「インターネット落語会」でもそのまま流させたそうです(私は見逃しちゃいました)。三三師いわく、「パソコン使えないので、見せてもらって」とのこと。あら、じゃあブログは携帯で更新? 長文を更新は大変でしょうねえ。…閑話休題。「三味線栗毛」も初見。それにしても、この題はどうなんだ、って感じですねえ。この説明、かなり最初に出てきて、それっきりですから。噺そのものは人情系、サゲはコケそうなくだらなさ(笑)。(個人的には、今、「検校」と言われると古田新太さん@「薮原検校」の顔が浮かびます。コクーンで見たポスターやチラシが強烈で。笑)いやいや、でも聴かせる系の噺家さんですねぇ。吉弥さんとのふたり会、楽しみです。

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2007.03.06

「私はだれでしょう」。

ついふらふらと(笑)3回分のチケットを取ってしまった、こまつ座の「私はだれでしょう」。結局、1回分は初日延期の憂き目にあったので、2月に入ってから2回、観ました。最初は最前列で蔵さま堪能。次は千秋楽で後方から拝見。

途中休憩を挟んで、3時間半以上の大作。なんですが、やっぱりホンが遅れたせいか、妙にストレートなメッセージという感じでしたね。歌・ダンスとも本業ではない役者さんたちなので、時々不安がないわけではないんですけど、それに関しては特に批判はしません。キャラクターとしては、役者さんそれぞれにハマっててよかったです。

2回目の観劇は、せっかくの千秋楽だったんですが、席が後方だったことと、自分の体調がいまいちだったことがあって、中盤、ちょっと集中が途切れてしまいました。でも、ラスト近くの、蔵さま浅野ゆう子さんのデュエットではちょっとグッときました(一部の音程はアレでしたけど)。

でも、スタオべするほどじゃないでしょう(笑)。楽のご祝儀ですか? 率先してやってるのが、たぶん蔵さまファンらしいところがまた。それから、電飾のボードを掲げてた二人組も正直イタかったですねぇ。こちらはどなたのファンかわかりませんが…。係員のかたも苦笑いでしたけど、注意してやめさせてもよかったんでは、と思いますよ。

公演は終了。

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2007.03.05

渋谷でマチソワ(2)。続いて「フール フォア ラブ」。

続いてPARCO劇場に移動して、香川照之さん・寺島しのぶちゃん共演の「フール フォア ラブ」

砂漠の中のモーテルの一室での、男と女と、他の男二人の物語。役者さんたちのぶつかり合いが見ものですね。内容はかなりハードなんですけど(ただし人間関係の説明はあまりなくて、物語の進行・セリフの応酬で推測していくという感じ)、オープニングとエンディングにかかるカントリー・ソングが、歌詞まではわかりませんがけっこうのんきな曲調で気が抜ける感じでした。

こちらは、たぶん本当のハプニングがありまして、甲本雅裕さんがちょっと困ってました。

開演前の「携帯を切って」的なアナウンスはなくて、ただたださまざまな着信音があちこちから聞こえる、というSEだったんですけど、気づいたひとはいたのかなぁ? 携帯を取り出しているひとがひとり目についたけど、電源は切ってなさそうでした。

上演時間は、逆に短くて一幕85分。なんだかあっという間でしたね。行定監督の初・舞台演出ということでしたが、「映画監督風味が出ていてイヤ」というほどではなかったですね。

こちらも、公演はすべて終了。

それにしても、松たかちゃんもしのぶちゃんも、声(喉)が強いこと。すばらしい! かなり膨大なセリフで、叫ぶようなシーンも多いのに、公演終盤の舞台でも、まったく嗄れたりすることなく出ていました。しのぶちゃんも、わりと高めのトーンだったんですが、細くはなく、後方席でもしっかり聞こえました。

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渋谷でマチソワ(1)。まずは「ひばり」。

先日の観劇は、渋谷でマチソワでした。しかも、わたし的大注目若手実力派女優さんの、松たかちゃんと寺島しのぶちゃんがそれぞれ主演。

まずはシアターコクーンで、松たか子ちゃん主演の「ひばり」を。

松たかちゃんがジャンヌ・ダルク。そして彼女がほぼ出ずっぱりでセリフも膨大。松たかちゃんの見せ場満載で、彼女の魅せかたは、やっぱり蜷川さんがピカ一という感じですね〜。

ほかの役者さんは、それに比べると出番(セリフ)がけっこう少ないんですが、「ジャンヌ・ダルクの公開裁判」という形を取って工夫してました。つまり、ジャンヌ自身がそれまでの生涯を、戦いの部分を除いて再現し、他の役者はその裁判を周囲で傍聴しているようにして、ほとんどの時間、舞台上にいるという形。セリフも動きもほとんどないのに、舞台上にはずっといる。役者にとっては、これもかなり過酷なんじゃないかと思います。

実際のところは、私自身の体調がよくない状態で観たので、正直、集中が途切れてしまったところが何度も。なんせ、長いんですよ。一幕、二幕とも1時間30分強。見ごたえがあっただけに、もっと体調のいい時に観られたら…と残念に思いました。

途中、山崎一さんがらみのハプニングがあったんですが、どうもそれは、演出になってるみたいです。なーんだ。

公演は終了。

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「桂歌々志 改メ 三代目 桂歌之助の会」。

米朝一門・桂歌之助さんの襲名披露の会。 先日、東京でも行われましたので、 内幸町ホールの下見(笑)も兼ねて、行ってきました。

火曜日に東京で放送された「米朝よもやま噺」で歌之助さんがゲストだったので(タイミングいいなー、と前回の吉弥さんのときも思いましたが、そりゃそうだ。東京での会に合わせて放送内容くらい調整しますわなぁ) 、それまでは、仕事のこともあって行くのは難しいかもと予定に入れていなかったんですが、 前日、仕事がひと山越えて、この日はまだ切羽詰ってなかったので、ひょっこりと行ってみました。

番組は写真の通りで(ここのみ敬称略)
小佐田定雄・むかし家今松・柳家一琴・桂小米朝
桂歌々志 改メ 三代目 桂歌之助「ご挨拶」
柳家一琴「松竹梅」
桂小米朝「くしゃみ講釈」
桂歌之助「七段目」
(中入り)
むかし家今松「親子酒」
桂歌之助「茶の湯」

冒頭の「ご挨拶」は、落語作家の小佐田氏の進行で、 まずは先代(二代目)の思い出話。小米朝師が代読した、米朝師匠による二代目への言葉 (二代目が亡くなったときに作られた文集?の言葉) には、ちょっとじーんときました。
その後、当代が登場したのですが、 奥様のお話が振られるなど、ご本人の紹介としては「?」な感じ(笑)。
手締めは「大阪締め」で。 最後の部分を音符で説明していた小米朝師に大笑い。

当代の歌之助さんは、去年の夏(もちろん歌々志時代)、 吉弥さんが浅草で落語会をした時に一緒に出てらしたのが初見。 その時は、声がいい感じのかただなぁ、という印象。 噺は大阪の土地勘がないとちょっとピンとこない部分があって そこは残念でしたけど、親しみやすい感じでした。
今回はさすがに、もう少し堂々としてらした印象ですね。 とはいえ、ゲスト陣がベテランさんばかりなので、 東京米朝事務所のかたによると 「(師匠がたに)『鳴り物演りにきたのか?』なんて言われてた」 そうですけど(笑)。

襲名したばかりだし、なんといってもまだ入門10年とのことなので これからに期待しましょう。(偉そうに何を言うか)

一琴師匠は京都生まれ、大阪育ちなのに東京に出てきて噺家さんになったという変り種。まくらの、車を運転する師匠と奥さまとの会話がめちゃくちゃおもしろかったです。噺(「松竹梅」)のほうもおもしろかったんですが、なんとなーく不安定な感じ?(あとで、ネットの日記を拝見したら、急遽変えて演った根多だったそうです。だからかぁ)

小米朝師はねぇ。まくらも噺本体(「くしゃみ講釈」)も、聴いたばっかりのものなので、ちょっと残念でしたね。先日の落語会二つと、この日と、すべてに行ったお客さんはいないと考えたのかしら?(笑)

仲トリは歌之助さん。「七段目」のような芝居噺はどうかなぁ、と思ってたんですが、ごめんなさい。参りました。いやー、よかった! 芝居しているときの動き、台詞回しなどなど、見ごたえありでした。

中入りをはさんで、今松師匠。とても感じのいいかたです。お着物の色あわせがすてきで、羽織と着流し、半襟が紫系のグラデになっていました。ほんのり黄色味がかった裏地もいい感じ。「親子酒」は酔っ払いの描写も楽しくて。

そしてトリ、再び歌之助さん。「茶の湯」は江戸バージョンを何度か聴いたことがあります。今回はフルサイズなのか、ご隠居の茶の湯に呼ばれた長屋の三人が、作法も知らないしどうしようかとあわてふためく部分がありました。それから、おっと思ったのは、手ぬぐいの色。抹茶色よりやや明るくて、「ははぁん」という色でした。やるなぁ(笑)。

それにしても、私の後ろの席にいた、落研生らしき若者たち (歌之助さんの後輩くんたち?<歌之助さんは千葉大落研出身だそう)、 うるさいよ!(笑)
噺の根多がわかったからって、口演中に声に出すのはマナー違反ですぞ

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2007.03.04

「どしょーまち」@「地獄八景‥浮世百景」 が判明。

またまた「地獄八景‥浮世百景」な話題なのですが。

佐藤アツヒロくん扮する「河内屋の若旦那・菊次郎」が、「どしょーまちの若旦那」と呼ばれていた場面がありまして。劇中に何度か出てきたこの「どしょーまち」ですが、まったく耳慣れない地名だったのでちょっと覚えられなかったんです。でも、今日、それがどんな町でどんな字を書くのかが判明しました。

今、かんべむさし氏著の小説「泡噺とことん笑都」を読んでいるんですが、ここに「どしょうまち」のことが書いてありました。大阪の地名で、字は「道修町」。どうしゅうまち(ちょう)、じゃなくて、これで「どしょうまち」と読むのだそうです。そして「界隈には江戸時代から薬問屋が軒を並べていたので、現在も製薬会社が集まっている」(「泡噺とことん笑都」P.53より)んだそうです。

泡噺とことん笑都
かんべ むさし著
岩波書店 (1998.6)
通常24時間以内に発送します。

読んだ瞬間は、まだ「地獄八景‥~」には結びついていなかったんですが、ちょっと経ってから「あれ、どしょーまちって…」と、ふと思い出して、すべて納得がいきました。河内屋は薬種問屋、かんべ氏の記述とも符合しますものね。

ほわー。こんなところで謎が解けるとは思いませんでした。でも、多少時間が経っていたとしても、こうしてすべてがつながると、なんだかうれしいですね。

【3月5日追記】
…販売パンフにちゃーんと載っとるやん。観音になったとこの中、ごじゃごじゃ書いてあったん「後にしよ」ってそのまんまほっぽりにしてた中に、ちゃんと道修町も説明してあったがな。アホやなぁ。

ということで、新発見(笑)でもなんでもなく。失礼いたしましたー。

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2007.03.01

「立ち切れ線香」、「か」か「け」か問題。

「立ち切れ線香」、」か「」か問題というのが、私の中にあるんでございます。

以下、上方の人情噺「立ち切れ線香」のサゲにかなりかかわってくる部分 (サゲそのものは書きませんが、その寸前の重要なひとことを書きます)なので、「立ち切れ線香」(「たち切れ」「立ち切れ」なども同じ噺)を未体験で、サゲを知りたくないというかたはご注意を。また、北村薫氏の「朝霧」(特に「走り来るもの」)の内容にも関連していますので、そちらを未読のかたもご注意くださいませ。

では参ります。

昨年11月、初めて桂吉弥さんで聴いたときには「初見・初聴」なのでわからなかったのですが。

今年に入って、北村氏の「朝霧」を再読してから、気になり出しました。それは、文中で「私」が、“小糸のおかあさん(お茶屋の女将さん)が若旦那に「もう(小糸は三味線を)弾かない」と言っているのに違和感がある”という意味のことを言い、噺家であり謎解きの指南者でもある春桜亭円紫師匠が“「弾かしまへん」とは言っていないよ”と教えてくれる、というくだりです。

朝霧
朝霧
posted with 簡単リンクくん at 2007. 3. 1
北村 薫著
東京創元社 (2004.4)
通常2-3日以内に発送します。

そして舞台「地獄八景‥浮世百景」(今日から3月4日の日曜日まで、北九州芸術劇場にて上演!)で、その部分は松永玲子さんが、セリフとして言ってらしたんで耳をそば立ててましたところ

プレビュー初日(2月9日)では「弾『』しまへん」。
2月17日の土曜日ソワレでは「弾『』しまへん」。

言いまつがいかもしれないし、G2さんまたは東野さん、あるいは吉弥さんあたりからオーダーが入ったのかもしれないので、なぜ違っていたのかの真相はわかりません。結局、またしてももやもやが残ってしまいました。

ちなみに、「世紀末亭」さんによる書き起こし(米朝師匠の高座)では、「弾『』しまへん」です。

「弾『』しまへん」だと、小糸が若旦那を恨んだままみたいで、とっても辛くて苦しい噺になってしまうと思うんです。いや、小糸としては恨んでる部分もあると思うんです。いくら手紙を書いても、何の音沙汰もない、薄情な若旦那としか思えない状況で命を失ったのですから。でも、若旦那があつらえてくれた三味線が届いて、嬉しかったはずなんです。恨みも、溶けたのではないでしょうか。それなのに、あんなサゲを言われたら居心地の悪さが残るんです。

逆に「弾『』しまへん」だと、小糸としてはもっと弾いていたいけど、時間が来てしまった。もう弾きたくても弾けない、という感じがよく出ていて、とてもせつない噺になる気がするんです。そして、サゲにもすっとつながる。

たった一文字ですけど、大きいですよね。
北村氏も、元国語教師ということもあって、この一文字にこだわってらっしゃるんだと思います。「走り来るもの」の「私」の疑問は、すなわち北村氏の疑問かなあ、と。

私自身が大阪ネイティブではなく、関西弁の細かいニュアンスはわかりませんので、すでにして誤解があったらごめんなさい、なのですが。

ということで、これからも「立ち切れ線香」を聴く機会はあると思いますので、毎回耳をそば立てて聴いてみたいと思います。いつかは納得のいく結論が出るでしょうか?

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